京極夏彦さんの『百鬼夜行シリーズ』第二弾。今回もとてもよい。(●´ω`●)
2018年、一番ハマっている小説これかもしれない。
シリーズ第一弾についてはこちら>>姑獲鳥の夏(著者:京極夏彦)は、ミステリー?怪奇小説?? - 金属アレルギーなOLの業務外報告
【魍魎の匣】著者:京極夏彦
前回の記事で『木場修が意外と好き』というようなことを書いた気がする。
まさかのまさか。今作は木場修から始まった。彼の身の回りで何かが起きるようである。
「加菜子を――死なせはしません」。加害者の姉は決然(きっぱり)と言った。その言葉が刑事・木場を異形の研究所へと導く。中央線武蔵小金井駅で発生した美少女転落事故と連続バラバラ殺人事件に接点はあるのか? 研究所長の美馬坂とは何者か? しかし、深まる謎をよそに加菜子は衆人環境のなか忽然と姿を消した!
1000ページ超えの超大作なので、分冊版しか無理です! 上・中・下巻の3冊に別れています。
非常に面白い。あまりにも面白い(語彙力)。面白すぎて睡眠削りまくって読みました。京極夏彦さんに恋してしまいそうです。京極堂さんには既に恋しています。
事件の奇怪さと、事件を取り巻く様々な人達。目が離せません。
【魍魎の匣】あらすじと登場人物
小説において、偶然は起こり得ない。物語のため、しいては読者のために作者が準備した、必然しかありえない。
美少女がホームから転落する事故、連続して見つかる四肢バラバラ遺体、箱を信仰する霊能者、見るからに怪しい研究所、そこに届く脅迫状。そして、関口巽の前に現れた、若き文士。
それらは偶然か、必然か。散らばったピースは、果たして1枚の絵になり得るのか??
神主兼古本屋店主・中禅寺秋彦(通称:京極堂)
まるで安楽椅子探偵だなぁと思っていた矢先、関口君も同じような感想を述べていた。
曰く、京極堂さんの場合は『座敷探偵』とのこと。確かに、和室に着物が似合うイメージ。
しかしこの男の場合、推理したところで語らなかったり、詭弁で煙に巻いたりする方が好きなようだから探偵には向かない。
とのことだ。
しかしこのシリーズの1番の見どころは、やはり京極堂さんの【詭弁】にあると思う。みんなが彼の【詭弁】を聞くために、情報を持ってやってくる。
情報が集まってこなければ、安楽椅子探偵は成り立たないのである。
元うつ病の文士・関口巽(通称:関)
前作、【姑獲鳥の夏】を読んだときよりも、好感度が上がった関口君。好感というか、共感と言うべきか。
視点や思想が、読者とリンクしやすい(私だけ??)。
個人的には是非とも、関口先生の幻想(不条理?)小説を読みたい。とても興味がある。【姑獲鳥の夏】の読者として、ひとまず【目眩】を読ませて欲しい。
人と人とは本当の意味でのコミュニケーションなど取り得ないのだ。言葉など通じない。況てや気持ちなど通ずる訳がない。
現実は人の意識の数だけある。百人の人間には百種の、千人の人間には千種の現実があり、それはそれぞれ、全部違うのだ。
自分以外を否定すれば孤立する。そして、自分を否定してしまったら――それは、私が誰より善く知っている。
それもまた、一つの現実。
関口君に、清き一票を投じたい。
刑事・木場修太郎(通称:木場修)
今回ずぶずぶと事件に足を突っ込むのは彼である。君は関口君か!と、ツッコミを入れたくなるほどに。
木場修、意外と普通の男だったな…というのが今回の感想。
探偵・榎木津礼二郎(通称:榎さん)
職業が探偵なのは、ホントはこっちww【薔薇十字探偵社】という、いかにもキラついた探偵事務所を営業している愉快な彼。
探偵業はかなりテキトー。京極堂さん曰く、他人の過去を垣間見る男。
私は今回、少々榎さん不足です。もっと出番欲しかった―!
京極堂さんとは違う意味で好きなのです。
事件が起こりすぎて翻弄される
1000ページ超えの大作ですから、次から次へと様々な事件が起こります。
無関係のような、どことなく繋がっているような…。
現実が複雑なのか、自身の思考が複雑たらしめているのか。
頭を抱えながら、怪奇ミステリーを楽しめば良いのです。最高です。
越えてはいけない境界が、そこにはある。
アニメ版【魍魎の匣】
とても気になっているアニメ版。実はHuluで全話(全13話)観れるのです!
何を躊躇っているのかと申しますと、キャラクターデザインがCLAMPなのですよね…。いや、嫌いなわけじゃないのですが、魍魎の匣に関しては、ちょっとイメージが違うかなーって…。
特に京極堂さんと関口君が。最も重要な二人が…!
以下、日テレの公式サイト。
個人的にはこの二人、もう少し線が細いイメージなのですが…。
でももうずっと気になっているので、そのうち我慢できずに観ると思います(笑)
そんな感じで、本日ワタクシからは以上でございます。
お疲れ様でした!