金属アレルギーのOLが樹脂でピアスを作る日々。

金属アレルギーもちのしがないOL。ピアスが好き。休日はちまちま樹脂ピアスを組み立てたり、読書したりアニメ見たり。とにかくインドアな趣味しかないOLの雑記。

【ツナグ】著者:辻村深月


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始めに言っておきますが。ワタシ、【感動モノ】は苦手なのです。

だから中々手が出なかったのですが、意外と良かったです、この本。

ワタシはてっきり【お涙頂戴モノ】だと思っていたのですが…(映画はそういうPRじゃなかった??)どちらかと言えば【考えさせられる】物語。

もちろん感涙した人もいるでしょう。こういうのは捉え方次第ですよね。恐らく感動したい方がそういう目線で読むと泣けるストーリーなのです。ワタシは苦手なのでそういう目線では読みませんでしたが…。実は、それが意外と良かったのです。

 

【ツナグ】著者:辻村深月

ツナグ 著者:辻村深月

一生に一度だけ、死者との再開を叶えてくれるという「使者-ツナグ-」。突然死したアイドルが心の支えだったOL、年老いた母に癌告知できなかった頑固な息子、親友に抱いた嫉妬心に苛まれる女子高生、疾走した婚約者を待ち続ける会社員・・・・・ツナグの仲介のもと再会した生者と死者。それぞれの想いをかかえた一夜の邂逅(かいこう)は、何をもたらすのだろうか。心の隅々に染み入る感動の連作長編小説。 

 

それぞれの事情

あらずじにもある通り、この物語は連作長編小説です。5つのお話が集まって、一つの物語が完成します。

5つ全てのお話に登場するのが【使者-ツナグ-】という、生者と死者を文字通り繋いでくれる(引き合わせてくれる)少年です。そう、少年。ごく普通の、高校生の男の子なのです。

死んでしまった人と再会できる。それはつまり、生前にやり残したことがある場合、伝えきれなかった気持ちがある場合、本当なら絶対に取り戻せないはずのものを、取り戻せる最後のチャンス。

感動したい方はその【救い】に焦点をあてて読むといいですね。ワタシも実は少しだけウルッときたシーンがありました。

しかしそれ以上に興味深かったのは、それぞれの人達が抱える人間事情。わざわざ【使者-ツナグ-】という特殊な能力者に頼ってまで死者と再会を果たそうとするには、やはりそれなりの理由があるのです。

生者にとって、生きている間に死者と繋いでもらえるチャンスはたった一回。死者にとっても、生者と繋いでもらえるチャンスはたったの一回。そのたった一度きりのチャンスを誰に使うのか。互いのチャンスを一致させることのできた人達だけが、再会を果たせるのです。

読めば読むほど、【後悔】という言葉が重くのしかかる。会いたい人には会いに行く。伝えたいことはきちんと伝える。聞かなければいけないことはしっかり聞く。ついつい先延ばしにしてしまいがちなこと、沢山あります。『いつかやる…』が、ある日突然永遠に叶わなくなる。そうなってしまった時、自分は本当に後悔しないのか。日頃からきちんと意識しなくてないけないのだな、と。改めて思うんだけど…実際に行動するのってとっても難しいのよね。

1章 アイドルの心得

突然死してしまった人気者のアイドル。彼女の存在を心の支えにしていたOLは、全財産を用意して【使者-ツナグ-】を探した。

2章 長男の心得

周囲の反対を押し切り、母親の癌の告知をしなかった長男。なんでも卒なくこなす優秀な弟と、頼りない息子、頑固な自分…。自分の判断は、果たして本当に正しかったのか―――!?

3章 親友の心得

【親友】とはなんだろう。親しいようで、1番近くにいるようで、対等なようで、ときに嫉妬し、素直になれず、すれ違う…。迷える女子高生の出した決断は―――?

4章 待ち人の心得

ある日突然、忽然と姿を消した婚約者。彼女はなぜ消えたのか。生きているのか、死んでいるのか。それさえもわからぬまま、既に7年が経過していた。

5章 使者の心得

『私の後継者になって欲しいんだ』ある日、祖母は言った。75歳の祖母の肩書は、社会的に言えば無職のはずだ。【使者-ツナグ-】とは一体―――!?

 

最期にすべてが繋がる

最期の話で焦点が【使者-ツナグ-】の少年に移り、種明かしが始まります。

個人的には感動したのが2章と4章で、面白く読めたのが3章でした(『笑える』という意味ではない)。

【女の友情は紙より薄い】とはよく言ったもので、絡み合う感情はとても複雑です。ワタシ自身も紛れなく女であり、悲しい性ですがその絡み合いは理解できるし、なんとなく身に覚えのあるものだったり…。

つまらない嫉妬。つまらないプライド。どれもくだらないのに、捨てるのは難しい。

再会を果たしたからと言って、それがハッピーエンドなわけでもなく。結局は自分が変わらなければ、何も解決しないんですよね(自分に言い聞かせておく)。

ワタシにしては珍しい本を読んだ気がする…

 

感動するばかりじゃない。自分の身の振り方を改めて考え直す、いい機会になりました。心が洗われますので、日々に忙殺されている方は一度立ち止まり、是非お試しあれ。

 

そんな感じで、本日ワタクシからは以上でございます。

オヤスミナサイ☆|)彡サッ

 

 

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