【ストロベリーナイト】の続編です。
それなりの厚みがある文庫本ではありますが、あっという間に読了。
今回は読みながら姫川警部補と思考がリンクするという奇跡が起きました。
【ストロベリーナイト】の感想はこちら>>インターネットから始まる殺人事件【ストロベリーナイト】著者:誉田哲也 - 金属アレルギーなOLの業務外報告
小説【ソウルケイジ】著者:誉田哲也
多摩川土手に放置された車両から、血塗れの手首が発見された!近くの工務店のガレージが血の海になっており、手首は工務店の店主のものと判明。死体なき殺人事件として捜査が開始された。遺体はどこに?なぜ手首だけが残されていたのか。姫川玲子ら捜査一課の刑事ちが捜査を進める中、驚くべき事実が次々と浮かび上がる!
発見されたのは左手首のみ。DNA鑑定の結果、手首とガレージの血液は同一人物のものと判明。出血量が明らかに致死量を超えていると判断できたため、殺人事件と認定される。
連鎖する貧困と、全てを凌駕する父性
400ページを越えるそれなりの長編なのだけど、テンポよく物語が進行するのであっという間に読み終わってしまいました。このシリーズは面白すぎる!
今回の事件は、根底に貧困が絡んでいます。
一度負の連鎖に飲み込まれると、抜け出すのは容易ではありません。何か、大きなキッカケがなければ、簡単には抜け出せない。
持てる者はますます富み、持たざる者は更に奪われる。
新約聖書に書いてあるのだったか?キリストの教えだったような?
あれ??キリスト様って、資本主義推奨派??(^o^)
いや、でもこの【ソウルケイジ】、この教えが突き刺さるような作品です。読者は刺し殺されそうになりますよ。
家族への痛切な思い。大事な人のために、あたななら何が出来ますか?何を捨てられますか?
文字どおり、【全て】を捨てた男の、悲しい物語。心が軋む…。
警察組織ってやつは…これだから…
事件の解決とは別に、このシリーズの見どころは警察内部の人間関係です。
警察小説、好きで色々読むのですが、描き方は様々です。
本作はアレです。胸糞悪くなる典型ですww シリーズを追うに連れ、変化していくかも知れませんが(しないかも知れませんけど)。
手柄の奪い合い、足の引っ張り合い、ギクシャクした人間関係と騙し合い。
そもそも主人公の姫川玲子に少々の難がある。事件の被害者になったトラウマ故か、持って生まれた性質か。
私は勘の働く女が好きなのだけれど、感情に振り回されて不必要に他人に絡む女が好きじゃない。好きなところと嫌いなところが絶妙に混ざり合い、姫川玲子という警部補にますます惹きつけられる。
もっと上手くやれよ!と思いつつ、中々目が離せないのである。やられた感、とてもある。
しかもそんな胸糞悪い組織の中で、色恋沙汰がおこるのだから不思議でならない。菊田もしょーもない男である。見掛け倒しの草食野郎め!
2作目の方が面白いのも珍しい
シリーズ物って、大抵は1作品目が1番面白いんですよね。
しかし今回の姫川玲子シリーズは、2作品目が1作品目よりも更に面白いという珍しいシリーズ。
好みの問題もあると思いますが…【ストロベリーナイト】は緊張感、【ソウルケイジ】は繊細さが感じられます。
3作品目はまだ読んでいませんが、どうやら短編集らしい。
短編か…。どーなんだろ…。読むけどね。
そしてますますドラマ版を観たいのですが、プライムビデオにもHuluにもないんだよなー。残念…。プライムビデオにはかろうじて映画版の配信があるのですが、それは4作品目の【インビジブルレイン】を元にしているらしいので、まだ我慢しています(原作読んでから観る)。
さっさと読み進めなければ!!
そんな感じで、本日ワタクシからは以上でございます。
お疲れ様でした!