金属アレルギーなOLの業務外報告

全てのストレスを受け流し、気ままにゆるく生きる意識低めなOLの雑記。

一人の時に読むと震えるホラー小説【残穢】著者:小野不由美


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読んでみたら想像以上にガチだった…。さすが小野不由美さん、怖い…( ;∀;)

読んでる途中で何回か鳥肌立ちました。

賃貸住まいの一人暮らしOLが読むには怖すぎる【残穢】

何故って、件(くだん)の物件が、働く女性が一人暮らししている部屋から始まるからです( ;∀;) うち、和室なくて良かったー!

 この家は、どこか可怪しい。転居したばかりの部屋で、何かが畳を擦る音が聞こえ、背後には気配が…。だから、人が居着かないのか。何の変哲もないマンションで起きる怪異現象を調べるうち、ある因縁が浮かび上がる。かつて、”ここ”でむかえた最期とは。怨みを伴う死は「穢れ」となり、感染は拡大するというのだが――山本周五郎賞受賞、戦慄の傑作ドキュメンタリー・ホラー長編!

恐怖ポイント1.実話か?作り話か?リアル過ぎてよくわからない!

何が怖いって、この小説、フィクションなのかノンフィクションなのかがハッキリしないのです。あるいはその両方だとして、その境目がどこなのかがまるでわかりません。

だって主人公は、【昔ティーン向けの文庫レーベルに、ホラーのシリーズを持っていた小説家の《私》】ですよ。しかも夫も小説家で、京都在住。

そんな《私》が、読者から怪異の体験記を手紙で貰うところから物語がスタートし、当該読者と共に少しずつ調査に乗り出していくのです。

読みながら、『これって…アナタの事ですよねぇ!?』と、作者の小野不由美さんに何度も聞きたくなります。

そして、【同じく小説家で、《私》よりも懐疑的な夫】が出てるく度に、『これって…綾辻行人さんですか!?』と、何度も聞きたくなりますww(読みながら1人で何度も心の中で聞いていた)

これは本書において、ホラー要素以外に楽しめるポイントでもあります。

実在する怪異に関する物書きさんたちも何名か登場し、時には調査に協力してくれたりもします。実話?実話なの??

 恐怖ポイント2.語り部の《私》が妙に冷静で生々しく、怪異に懐疑的

やっぱりこれは実話で、小野不由美さんが自身の経験や考察を綴っているのではないか…??と、疑いたくなるくらい、作中の《私》は様々なことを分析して語っています。

【突然おばけが出てきて、きゃー!と驚いて逃げて、行方不明者や変死体が出てきて、呪いに怯える】なんて、そんな単純な話じゃなくて。

全ては気のせいと言ってしまえば気のせいで片付くような、些細な出来事の積み重ねだったりする。考え過ぎと言えば考えすぎだし、偶然が続いただけと言えばそんなような気もする。だけど時間をかけて(数年単位)、調査範囲を広げていくうちに、偶然と言い捨てて無視できないような事実がいくつも出てきて、元々は半信半疑だった当事者の久保さんの思考が、じわじわと追い詰められる。

この無視できない偶然の重なりが、気味の悪さを一層引き立てる。1つ1つは些細に思えるような出来事が、1つ、また1つと重なる度に、ぞわりと鳥肌が立つ。

この本、確かに部屋に置いておきたくない…( ;∀;)

【根拠なき不吉なもの=穢れ】を集めたような、いや〜な一冊です。

恐怖の根源は、触穢(そくえ)と延喜式(えんぎしき)

「祟り…ですよね」

祟りと言うより、障(さわ)りと呼ぶべきなのかもしれない。美佐緒に殺された子供たちは、当の美佐緒に復讐しようという意図はなかったのはもちろん、そのほかの人々に禍(わざわい)をなそうと意図していたとも思われない。むしろ、子供たちの不幸な死は穢れのようなものであり、高野トシヱはその穢れに触れた、と考えた方が実情には合う。

【残穢】P236より

穢れとは、出産・月経・死などによって発生し、特に死による穢れは、死穢といって重大視されてきた。仏教における不浄とは、自己の内面に普遍的に存在するのに対し、穢れは他者の外面に限定的に存在する。あくまでも外面的なものなので、時間が経てば消滅するし、祓い落とすことも可能だ。

そして日本には、触穢という考え方がある。穢れに触れると、伝染するというのだ。そのため穢れは隔離せねばならず、接触を忌避する。特に死穢は、死者の家族や血縁親族を汚染するとされた。

平安時代に編纂された法令集の延喜式には、甲乙丙丁の展転があり、これを見ると、穢れがどのように伝染するのかよくわかる。本書内ではそれが、現代風にわかりやすく説明されている。

つまり、仮に、太郎の家に死穢が発生したとする。このとき、次郎が太郎の家に着座すると、次郎のみならず次郎の家もまた死穢によって汚染される。この次郎の家に三郎が着座すると、三郎もまた死穢に汚染されることになるのだが、この汚染が三郎の家に持ち帰られることはない。ただし、すでに汚染されている次郎が三郎の家に赴いて着座すると、三郎の家も汚染されることになる。しかしながら、四郎が三郎の家で着座しても、四郎が汚染されることはない。死穢はここで伝染力を失う。

【残穢】P239より

 遥か平安の時代からこのような規定があったことには驚きである。確かにこれなら、”一定期間喪に服す”というのも納得できる。その上、長い時間が経過してもこの風習が残っているということは、あながち間違ってはいない事象ということになる。

しかもこれらは、いわゆる呪いや祟りとは少々質が違う。死穢はどこにでも発生し得るし、災厄のようなものだ。無差別に伝染するし、自然に消えていく。どちらかと言えばウィルスのようなものだし、その汚染はあまりに理不尽だ。

怪異に遭遇すること自体が、事故のようなものであると言える。

【映画】残穢-住んではいけない部屋-

キタコレ。竹内結子さん主演。

映画にはちゃんと《私》にも名前がありますw その名も《小松由美子》さん。

《小野不由美》にしとけやww(でも字面似せたのかなw)

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当たり前に原作小説の方が500倍くらい面白いのですが、着物の女性が揺れてるところはね…映像で観ておくといいですよ、恐怖心が増して…。おすすめです!😂

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そんな感じで、本日ワタクシからは以上でございます。

お疲れ様でした!

 

 

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