不思議の国の不思議な世界観再び…!?
念願叶ってクララ殺し読了しました。
個人的には少しの後悔も残しつつ…、小林泰三さんの世界観を楽しむことができました。
【クララ殺し】著者:小林泰三
今回ワタシは、大好きなこのシリーズを読んで後悔を残してしまいました。最悪な感じ…。(´°ω°)チーン
ですからこれから【クララ殺し】を楽しもうと思っている皆様には同じ轍を踏んでは欲しくなく、この記事を書きます。
物語を純粋に楽しむために、まずは万全に準備していただきたく思います。
準備1.アリス殺しを読み直す
本作、【クララ殺し】は【アリス殺し】の続編です。
一般的なミステリー小説のシリーズ物とは異なり、いきなり【クララ殺し】を読むのはまるで意味がわからないと思うのでおすすめできません。
これは世界観が特殊な為であり、その世界観が事件解決に向けての重要なキーポイントでもある為です。
そしてワタシの油断は、ここでおこりました。
ワタシは【アリス殺し】の単行本を持っていて、2年ほど前に読了済みです。細かい所はあやふやですが、世界観はしっかりと覚えています。地球・不思議の国・アーヴァタールの関係性についてはきちんと認識しています。
だから読んでしまったのですよね、クララ殺しを。いきなり。
基本的にはそれで問題はないのですが、最後の最後で『あっ!』と驚く結末が…!?
しかしワタシが、『あっ!』と驚く前に『んっ!?あれ!?』と一瞬迷ってしまったのは、直近で【アリス殺し】を読み直していなかったせいです。
2冊を立て続けに読むのであればそれが1番ですが、アリス殺しとクララ殺しを読むのに間があいているようなら、まずはアリス殺しを読み直しましょう。全部読み直すのが面倒なら最初と最後だけでOKです。
準備2.ホフマン作品をざっくり学ぶ
ここは好みが別れるところではありそうですが…。アリス殺しをどう楽しんだかにもよると思います。
ワタシは原作の不思議の国のアリスが好きでして、そこに登場するキャラクターが出てくるのをとても楽しめました。
対してクララ殺しはどうでしょうか。クララといえば原作はくるみ割り人形です。ワタシはその程度の知識だけで読み始めてしまいましたが、厳密には違います。
【くるみ割り人形】はバレエの三大演目にもなっていますが、これには更に原作があるのです。タイトルは【くるみ割り人形と鼠の王様】。クララ殺しはこの大元の物語をベースに創られています。
しかも今回のクララ殺し、モチーフは【くるみ割り人形と鼠の王様】1作品だけではありません。
作者であるE・T・Aホフマン(ドイツの作家)の主要作品がいくつか入り乱れているのです。
- くるみ割り人形と鼠の王様
- 黄金の壺
- 砂男
- マドモワゼル・ド・スキュデリ
これらの作品は親切にも、クララ殺しの単行本の巻末にあらずじが掲載されています。
まずは本編を読み、参考作品のあらすじを読み、そして本編を再読することが巻末にて推奨されていますが、
ワタシは1度で全てを済ませたかった(´゚д゚`)
読書家さんの中にはまず巻末から読む人もいらっしゃるようですが、ワタシは解説ページを先に開いたりはしない主義。しかし今回に限っては読めばよかったなぁ~と後悔しています。
本編をじっくり2回読む気がある方は巻末の推奨どおりでいいのですが、ワタシのように一度で済ませたい人は先に巻末のホフマン作品のあらすじを読んでおくと、おおよそのキャラクターの立ち位置を考慮しながらミステリーを堪能できます。
クララ殺しを読んだまとめと感想
ワタシは今回、
アリス殺し読了→2年経過→クララ殺し読了→アリス殺し再読→ホフマン作品のあらすじ流し読み
という流れになってしまいましたが、理想は
アリス殺し再読→ホフマン作品のあらすじ→クララ殺し
だったと思っています。
『スナークは?』
『…ブージャムだった』
ビルの決めた合言葉が、まさか世界をがらりと変えるほど重要なものだったなんて…。
でも、そういえばチェシャ猫が言っていたよね。全ては辻褄の合った夢なんだ、と。
ワタシは赤の王様(レッドキング)の次の夢をとても楽しみにしています。
そんな感じで、本日ワタクシからは以上でございます。
お疲れ様でした!