金属アレルギーのOLが樹脂でピアスを作る日々。

金属アレルギーもちのしがないOL。ピアスが好き。休日はちまちま樹脂ピアスを組み立てたり、読書したりアニメ見たり。とにかくインドアな趣味しかないOLの雑記。

【よみがえる百舌】【鵟の巣】 著者:逢坂剛(百舌シリーズ)


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タイムカードを切って会社を出ると、外はまだ明るくほんのり暖かい。ゆるやかに流れる休日午後の時間。行き交う人々はなんだか楽しそうで、心なしか私の足取りまでもが軽くなる。

こんなにも早い時間に自由を手に入れたのはいつぶりだろうか?私は頭の中に自分のスケジュール帳を思い浮かべたが、思い出せる範囲にそのような余暇は思い当たらなかった。

つまり何が言いたいのかってゆーと、自由な土曜の午後は久しぶり!ヾ(。>﹏<。)ノ゙✧*。ってゆーことである。

金属アレルギーなOLです、こんばんは。(上記は昨日の話。)

以前にどこかで会社員のメリットを書いたと思う。それはつまり、勤務を守りさえすればプラーベートな時間は何をしても(何もしなくても)生活だけはある程度保証されるということである。(会社が潰れないことを祈っとこう!)

例えば私が休日に一歩も布団から出ず1日を寝潰したとしても、無意味に1日中ネットサーフィンに精を出したとしても。huluでアニメを見続けても買い込んである本を読み耽っても売れるかどうかもわからないピアスを作り続けたとしても。これらのことを全てやっても又は1つもやらなくても。私が勤務さえきちんと守っていれば会社からは一定の給料が支払われ続け、私はある程度の生活が保証されているということになる。

だがしかし。メリットがあるということは勿論デメリットもある。その唯一にして致命的なデメリットとは。自由時間が非常に少ないということである。何もしないことは簡単であるが、沢山の事をしようとするとそれは突然非常に困難になる。それが会社員の宿命である。

そしてこの週末、貴重過ぎる土曜の午後と日曜という休日を、私が何に費やしたのかと言えば読書である。昨夜はブログを書く間も惜しんで本を読み耽っていた。熱中すると止められないのは私の悪い癖である。切り良く1冊を読み切り就寝したのだが、一晩寝ただけではその世界観から抜け切ることが出来なかった。更に続きのもう一冊を、今日も読まずにはいられなかったのである。

これが実用書であったなら、こんな事態には成り得ない。知識が蓄積されて終わるのだが、小説とは恐ろしい。世界観に引きずり込まれ、足が抜けなくなるのだ。それがわかっているから、小説に手を出すのは時に手が躊躇う。今回も、数ヶ月本棚で寝かせていたものを一気に読み倒した次第である。

私の大好物は小説・漫画・アニメの3つだ。オタクとか根暗とか言われても一向に構わない。

 

ドラマシリーズ・MOZU。

一応先に書いておくが、ミステリー要素も含む作品のため、ネタバレを気にする人は今すぐブラウザを閉じてほしい。私はそこに関して責任を持つことが出来ないことを先に申し述べておく。

さて。MOZUというドラマをご存知の方も多いと思う。私もタイトルと広告だけは知っていた。見たことはないが、少し気になっていたドラマなのは確かだ。season1とseason2があり、劇場版まで公開された人気シリーズ作品。加えて私は個人的に真木よう子の顔が好きである。広告を見た印象では、彼女の役柄自体も私の好きなタイプのように見受けられた。以前もどこかで書いた気がするが、私は苦境に負けず(男にも負けない)戦う女性が好きなのである。

このドラマシリーズが人気の理由は原作を読めばわかる。逢坂剛さんという作家さんの作品を読んだことはなかったが、私はすっかり虜になった。元ネタがこんなに面白いのだからドラマも人気で当たり前である。描写は少し神経質な印象を受けるくらいに細かく繊細だ。原作を読んですっかりドラマを見る気が失せてしまった。この繊細さを時間の限られた映像で表現するのは不可能だ。読み手の想像力の中だけで納めておくのがイメージを壊さない秘訣といえる。ドラマにするには時代背景が違いすぎるし、ヒロインの明星美希も真木よう子とはイメージが違いすぎる。西島秀俊の倉木尚武と、香川照之の大杉良太は現代版に直せば確かに少しイメージが近い気もするが、そもそも時代背景を現代に変更しては面白さが半減するような気がしてならない。(イメージはあくまでも原作を読んだ私の個人的なイメージである。)

私は個人的に、昭和背景の公安ネタ小説が大好きなのである。ミステリー・サスペンス・ハードボイルドが大好物で、銃をぶっ放してくれれば更に楽しめるというものだ。

 

原作・百舌シリーズ(公安警察シリーズ)。

他の作品については知らないが、このシリーズはとにかく文字数が多い。トータルで5冊の文庫本を読み終えたが、どれも非常に厚く、予想以上に読むのに時間がかかる。逢坂さんの繊細な表現故かもしれない。ミステリーにはピッタリの作家と言える。細かい伏線がもはや見事としか言いようがないのだ。

百舌とは鳥の名前だ。この鳥には速贄という習性がある。とらえた獲物を木などに枝や針を使って突き刺しておくのだ。本作ではアイスピックや千枚通しを使い、ターゲットを一突きで殺す殺し屋が百舌と呼ばれる。発見される被害者たちは速贄で木に突き刺された獲物というわけだ。

政治と警察が複雑に絡み合った陰謀と、それに立ち向かう末端の刑事。何度核心に迫ろうとも、証拠はいとも簡単に握りつぶされてしまう。そして核心に迫るたびに、主要人物が一人ずつ死んでいく。そう。このシリーズから目を離せなくなる要因の一つは、展開が予想を裏切りとんでもない方向へ転がっていくことである。シリーズ全体を通して、一貫したたった一人の主人公というのが存在しない。数名の主要人物たちがストーリーを展開するのだが、読み進めていくうちに中心事物が死んだり、または新たなキャラクターが主要人物の仲間入りしたりするわけだ。繊細で細かい伏線と描写のおかげでそこに違和感はなく、益々目が離せなくなる。

 

現在シリーズは7冊販売されている。

  • 裏切りの日日(シリーズ序章)
  • 百舌の叫ぶ夜
  • 幻の翼
  • 砕かれた鍵
  • よみがえる百舌
  • 鵟の巣
  • 墓標なき街

私は序章は読んでいない。(津城さんが好きな人は読んだ方がいいかもしれない。)【百舌の叫ぶ夜】から読み始め、先ほど【鵟の巣】を読み終わったところだ。こうして数えてみればたった5冊の文庫本を読んだだけなのだが、なんだか既に十数冊読んだような読了感である。始めの3冊は職場の同僚に借りて読み、何かの折に友人にその話をしたら、更に続きの2冊を貸してくれたのだ。このシリーズは私が生まれるより前から書き始められている。そして6冊目は比較的新しい、2015年の作品だ。これに関しては自分で買おうと思う。私はそうまでして続きが読みたい。

これほど長い時間をかけて書かれていると、当然ながら表現の印象が少しだけ変化してくる。しかしながらこの変化も、決して嫌な変化ではないのが素晴らしい。そして一つ面白いのが、作中の設定が段々現代に近づいているということだ。【鵟の巣】ではそれが顕著に表れていた。携帯・メール・インターネット。これらのワードが頻繁に出てくる。現実とリンクするように、作中でも時が進んでいるのが非常に興味深い。

【鵟の巣】では百舌が登場しない。タイトルからしてそうであるが、百舌ではなく鵟がメインだ。読み始めて、もしやつまらないのではなないかと警戒したが、上記のようにまた新たな要素が加わり徒労に終わった。面白い。私個人としては、地名に馴染みがあるのも面白い。舞台が私の生活圏内のため、知っている町名や建物が頻繁に登場する。通りの名前や交差点の名前まで、私が日々過ごしている場所だったりするのだ。これは想定外のスパイスであった。

 

(極めて個人的)評価。

★★★★★

これほど長々と力説したので、当たり前に5つ星である。

序章の【裏切りの日日】はどちらでもよいのだが、是非とも【百舌の叫ぶ夜】からは読み始めていただきたいものである。

 

 

因みに今回の読書のお供にしたBGMも貼っておく。


Globe - Anytime Smokin' Cigarette

 

 

 

 

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