【初めての実用書】と、著者ご本人がブログに書いていたのを思い出す。なんだか少し小説めいたタイトルだけど、確かにこの本は実用書だ。
個人的には結構お気に入りの部類に入る。紙本で購入した自分を褒めたいくらいだ。本棚で保管して、必要な時はそっと見返すような本になるだろう、と確信した。
【たった一通の手紙が、人生を変える】
『人生を変える』とはまた大袈裟な…。しかしその反面、言い得て妙だな、とも思う。手紙とはつまりコミュニケーションの一つであるから、人生の思わぬ帰路で役立つこともあるかもしれない。
聡明な人はピンと来たかもしれないが、この本に書かれていることは何も【手紙】に限定したことじゃない。電話やメール、日々の会話に至るまで。他人とのコミュニケーションにおいて必要な心構えが書かれている。
何よりもこの本を読むと、大事な人に手紙を書きたくなる。流されやすいやつだなぁと笑ってくれてかまわない。それがこの本を読んだワタシの、素直な感想だったのだから。
【著者コメント】
本書は、誰もが日常的に扱えるものなのに、そこに秘められた大きな可能性にはほとんどの人が気づいていない、ある分野に関する技術を体系化してまとめたものです。
その分野は、「手紙」です。
この言葉を聞いて、「手紙なんかに一体どんな可能性があるというのだろう?」と疑問に思う人がほとんどだと思います。そして、何よりも私自身が、手紙とは単に儀礼的な場面で送るものだと考えていました。しかし、処女作「ウケる技術」を書いたとき、まったくの無名だった私は、著名人の方に本と共に直筆の手紙を送り、推薦文をいただくことができました。この経験によって手紙の持つ力に魅了された私は、「人の心をつかむ手紙の書き方」を日々研究するようになったのです。そうした研究対象には、ヘミングウェイや夏目漱石などの文豪の手紙、スティーブ・ジョブズやグラハム・ベルなど優れた経営者の書いた手紙があり、そこで使われている技術を丁寧にひも解いていきました。その結果、直筆の手紙を書くことで、通常であれば決して会うことのできない人に会い、仕事をする機会に恵まれたり、両親や恩師に感謝の手紙を書くことで感動してもらうことができました。また、お礼状を書くことで多くの人に応援してもらえたり、仕事で失敗したときも謝罪の手紙を送ることで、失敗する前よりも深い関係になることができました。そして、手紙について学べば学ぶほど、手紙の技術には相手への気遣いやサービスの本質が凝縮されていることが分かります。その意味で、本書で学ぶ技術は、文章だけではなく通常のコミュニケーション能力の底上げにもつながるでしょう。
本書が、あなたが素晴らしい人間関係を築き、豊かで充実した人生を送るきっかけになることを願っています。
手紙、書いてますか??
イマドキは手紙なんて一切書かなくても生活できる。そんな大人は、案外多いんじゃないだろうか??
メール、LINEやSNSなど。アナログよりもデジタルのやり取りの方が身近で手軽だ。 ワタシだって立派な現代人。大抵の人との連絡はLINEで行うし、スマホ依存症と罵られても反論の余地はない。
ワタシの場合は仕事上、ごく稀であるが手紙を書くことがある。患者さんに宛てた手紙だ。挨拶文だけの時はパソコンで打ってしまうのだけど、謝罪などで文書を送る必要がある時はやはり手書きを選ぶ。パソコンで打ち出した文字は綺麗だが味気ない。多少字が下手でもやはり手書きであることが謝罪の姿勢の一つであると考えている。
そして第二に、ワタシはハンドメイドアクセサリーの販売も行っている。手紙と呼べるほど立派なものを書くわけではないけれど、ご購入者様には必ず手書きのメッセージを添えることにしている。リピーター様と親しくなるとメッセージも自然と長くなり、時に手紙のような長文を添えることもある。
それから最後に、趣味友達にハガキを出すことがある。ハガキは大抵写真がメインだが、手書きの文章は必ず添える。贈り物がある時などは小包に手紙を添えたりもする。趣味友達と出会うのは主にSNSだ。沢山の人達と知り合うなかで、特に親しく付き合える人に出会うとそうやって個人的にアナログでやりとりしたりする。これは自分でも不思議な現象だと思う。デジタルで出会ったはずなのに、親しくなればなるほどアナログのやりとりが増えるのだ。手書きの文字とはそれだけ意味があるのかも知れない。
ついでにもう一つ不思議なのは、リアルで知り合った友人とはどんなに親しくてもアナログのやり取りは殆ど無い。これはワタシだけだろうか…。なんだか今更気恥ずかしいというのもあるかも知れないが、不思議な現象である。
どうだろうか。こうして改めて思い返してみると、現代人の割には意外と書いてる方…?かな…??
普通、みんなはどんな時に手書きの文章を書くのだろうか。
形式張ると余計、書きにくい
手紙の書き方とは本来きちんとしたマナーがある。冒頭の挨拶一つとってもそうである。
【拝啓 残寒の候、ますますご繁栄のことととお慶び申し上げます。】などなど。
なかなか日常生活では使わないような言葉が並んでいて、益々手紙の敷居が高くなる。読み上げれば舌を噛みそうだ。
この本は【実用書】であるので基本的なマナーの記載もあるのだが、ワタシが何よりオススメなのは、様々なシーンに合わせた手紙の実例が紹介されており、時と場合によってはマナーを省略するよう推奨していることだ(無礼で良いという意味ではない)。
つまり水野さんが言いたいのは、最低限のマナーは必要だけど、手紙で一番大切なのは書き手の熱意であるということだ(多分)。気恥ずかしさという面においては、これでグッと敷居は低くなる。
最初と最後に最低限のマナーを取り入れ聡明さをアピールしつつ、真ん中ではユーモアを取り入れ相手の心を揺さぶるというゲスい手紙が完成する。
これは結構面白いかも知れない。否、面白そうである。早速実践してみたくなる。だからワタシは今、誰かに猛烈に手紙を書きたいのだ。(๑•̀ㅂ•́)و✧
本の内容
さて、相変わらずワタシは自分の話ばかりなのだが。ここで今更本の内容を紹介してみる。
おもむろに。
唐突に…。
第0章から始まり最終章に至るまで。実に様々な手紙の書き方が指南されている。
- お世話になった人へのお礼状
- 仕事依頼の手紙
- 講義の手紙
- 親から子への手紙
- 年賀状、暑中・残暑見舞い、お中元のお礼状
- ファンレター
- お金の援助を依頼する手紙
- 著名人に合うための手紙
- 断りの手紙
- お見舞の手紙
- 謝罪の手紙
- ラブレター
- 感謝の手紙
- 遺書
これだけレパートリーに富んでいれば、誰でも何かしら使えそうなものがあるのではないだろうか?
それぞれのシーンにおいて、ダメな例・改善点・ポイント・良い例の手紙が丁寧に記載されている。これは非常にわかりやすい。自分が手紙を書かねばならない時に、必ず役に立つ一冊となるだろう。
また、中盤には【手紙の礼儀作法】という章がある。最低限の礼儀と称して手紙における基本的なマナーが記載されており、ワタシのように若干常識が欠如しているような人間には非常に役に立つ。
最低限というのは重要なポイントだ。難しいことをアレコレ言われても窮屈なだけだし知識に全然親しめない。本当に重要なポイントだけを、シンプルに、わかりやすく、簡単に!保存版である。(๑•̀ㅂ•́)و✧
手紙の書き出し、時候の挨拶一覧、三つ折りの方法や、封筒の正しい書き方など。懐かしいな。小学生で習うんだっけ?中学生?(それさえ覚えてない)書写の時間に習った気がする…。
ここで一つ。敬称の一覧を眺めていて目からウロコなものを発見してしまった。
【殿】という敬称についてなんだけど。目下の人に使う場合があり相手に失礼になるので使用を避ける。とあった。
し、知らなかった…。(´°ω°)チーン
目下の人にも使うんだぁ…。全然知らなかったな。秘書検定2級保持者が聞いて呆れるね。
そんな感じで、本日ワタクシからは以上でございます。
オヤスミナサイ☆|)彡サッ