金属アレルギーなOLの業務外報告

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ブログにも役立つ!?【広告コピーってこう書くんだ!読本】著者:谷山雅計


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俗世に疎いワタシでも知っている。

資生堂TSUBAKI【日本の女性は、美しい。】/日本テレビ【日テレ営業中】などなど。

数々の有名な広告コピーを手掛けてきた谷山雅計さんの本。

人々の記憶に残り、心をつかむ広告コピーはどのようにして生まれるのか!?

 【広告コピーってこう書くんだ!読本】著者:谷山雅計

この本は、ブログを書く人が読んでも面白いと思う。何故ならいくつかの広告コピーを具体例に、どのような思惑でそれが完成したのかが解説されているからだ。

【他人がどのような思惑でその文章を書いたのか】。そんな、普段は表に出ないような事情を垣間見れるのが面白いし興味深い。

目次

序章 はじめに「発想法ではなく、発想体質を」。
・「なんかいいよね」禁止。

 

第1章 生きたコピーの書き方。
・なぜ「たくさん」書かなければいけないか。
・一晩で100本コピーを書く方法。
・ボディコピーの書き方(超カンタン版)。
・なぜ「短く」書かなければいけないか。
・「描写」じゃない。「解決」なんだ。
・人はコピーでウソをつく。
・「アイラブ東日本」のウソ。
・書き手のヨロコビ、受け手のヨロコビ(二毛作ジェルのワナ)。
・葉っぱから森をつくろう。
・おじいちゃんにプレゼントを選ぼう。

 

第2章 もっと伝えるために。
・「原稿用紙」から世の中へ。
・みんなが言いたいことを言わせてあげる。
・オールブラックス115-0日本代表
・スキがあるほうが、よくモテる。
・カタチだけの納得。ホントウの納得。
・ポジティブでなければ、ネガティブアプローチじゃない。
・いいメチャクチャ、悪いメチャクチャ。
・ダメ出しを制約と思うか、ヒントと思うか。
・本当にすごいアイデアって(小さな工夫)。

 

第3章 コピーを超えるコピー。
・正論こそサービス精神をもって語ろう。
・「1対1」と「1対100万」の違い。
・企画書だけうまくなってはいけない。
・そりゃそうだ。そういえばそうだね。そんなのわかんない。
・「好きだから、あげる。」は、なぜ名コピーなのか?
・80年代は納得の時代、90年代以降は空気の時代。
・剣豪コピーと将軍コピー。
・言葉はキャラクターである。
・平凡と非凡。平凡と普遍。

 

第4章 広告的「アタマのよさ」。
・「くり返すことができる」が、プロ。
・エンジンとガソリン。

 

序章からいきなり刺された感

【コピーライター】という職業が存在する以上、人々の心を掴むキャッチコピーなどは偶然に生まれたわけではない事になる。計算されているのだ。記憶に残るように。広告が伝わるように。

タイトルの如し、効果を最大限に発揮するコピーを書けるようになるために、本書では初めにあることを禁止している。

 

【なんかいいよね】禁止。

 

日頃からワタシが頭を悩ませていた問題点が突然冒頭に出てきて面食らった。自分でも気付いていたことではあるけれど、やはりこれはダメなのだ。第三者に指摘されると改めて刺さる問題である。

ワタシの知人にファッション関係のデザイナーがいる。その人はなんでもかんでも理論を語るのだ。『大抵のことは理論を説明できる』と豪語していた。時々はワタシがイライラするほど理屈をこねたりする。

『大抵のことは理論を説明できる』というのが本当か嘘かはどうでもいいのだが、少なくとも彼はワタシよりも多くの物事を理論的に語ることができる。それは間違いなく本当のこと。

理論が正しいかどうかは二の次で、まずは自分の中にあるものをきちんと言葉で並べることが出来なくては精査もできない。殆ど直感に頼って生きているワタシのような人間にはこれがかなりの難題となる。

つまり何が言いたいのかというと、意図的に【売れるもの】を作るためには理論や理屈が必須なのだ。日頃ワタシがぼんやりと思っていたことが本書にも冒頭からズバリ書かれていてワタシは刺されダメージを受けたのである。

「なぜいいのか。これこれこうだからじゃないか。」「なぜカッコいいのか。こういう工夫をしたからじゃないのか。」

こういう思考を働かすことができなければ、賭けてもいいですが、あなたはけっして「モノのつくり手」になることはできません。一生、「受け手」のままで終わると思います。

受け手は、一生、「なんかいいよね」「なんかステキよね」と言い続けます。「つくり手」は、「なぜいいのか。これこれこうだからじゃないか」と考え続けます。

一生「受け手」でいることが悪いことだとは勿論思わないけど。どうせなら「つくり手」にも「受け手」にも両方なれた方が「楽しみ」の多い人生になるようなきがする。…多分。

 

ワタシが気になったポイントを3つ紹介する

目次を見てもらえればわかるが、この本はポイントを細分化して、具体的な【広告コピーの書き方】が記されている。

その中でも特にワタシが気になったポイントが3つあるので紹介させて頂く。

 

1.【そうだ 京都、行こう。】ダメ出しを制約と思うか、ヒントと思うか

JR東海の有名な広告コピー【そうだ 京都、行こう。】は、正にこの状況から生まれたコピーだと言う。著者の谷山さんは、競合プレゼンに敗北した。クライアントから中々OKが出ず、プレゼンのやり直しが何度もあった。

クライアントは「凝ったデザインはいらない、絵はがきのような京都のきれいな景色があればそれでいい」と言う。でも、ぼくらのチームは「絵はがきではいい広告にならない」と考えていましたから、その要望はちょっと違うんじゃないかと思っていた。だから、そうではない方向の提案をしつこく続けていました。

佐々木さんたちは、アイディアはいらない、絵はがきでいい、という要望に対して、あの広告で”最高にすごい絵はがき”をつくって見せてくれました。最高の絵はがきは最高の広告クリエイティブになる、と証明したのです。

他人の意見を聞き入れるのは思いの外難しい。プライドを持って、自信のある仕事をしていれば特に難しくなる。それでもやっぱり大切なのだ。

どんな時も、人の意見を汲み取る柔軟性と余裕がほしい。そんな人間でありたい。

広告コピーに限った話じゃないけど、改めてそう思わされた。

 

2.【生茶は「ペコロジー」】正しいからこそ工夫する

例えば環境問題などがテーマの場合、正しいことをただそのまま書くと、説教くさくなったり押し付けがましくなったりするという。

確かにそうだ。正論というのは時に息苦しくなったりする。だからガス抜きのため、特に「ちゃんと工夫しよう」と心掛ける。ユーモアが大切。

実際に、環境問題などの”正しいこと”をテーマにした広告のうち、本当に広告として機能しているものは、”ただ正しい”だけのものではありません。

たいてい、正しいうえにおもしろかったり、正しいうえにカッコいいものだったり、正しいうえにお茶目だったりします。

 

【ユーモアの大切さ】は、以前に読んだ水野敬也さんの本にも書いてあった。

 

 【ユーモア】と聞くとなんだか天性の感性のように思えてしまうけど。水野さんの本でもユーモアについては言葉できちんと説明されている。理論さえわかっていればユーモアはつくれるのだ。

ワタシは個人的に水野さんの文章が好きだし、世の中にはワタシ以外にも水野さんの文章を好きな人は沢山いる。しかしそれは偶然ではなく、水野さんが読み手が楽しめるよう工夫しているからに他ならない。大半は計算されている必然の出来事なのだ。

 

3.「1対1」と「1対100万」の違い

そもそも考えたこともなかった。1対1のコミュニケーションと、1対万人のコミュニケーションの大きな違い。

1対1で面と向かって友だちに話して聞かせるのであれば、相手をじっくりと説き伏せて、考えを180度、変えてしまうことも出来るかも知れません。

こういうコミュニケーション(1対100万)の場合は、相手を変えようとせずに、受けての現状をまず肯定することからはじめましょう。そのうえで、彼らが興味をもっていることと自分が伝えようとしていることとの”接点”を探ったほうがいい。

状況を分析し、柔軟に対応を変える。これまた難しい…。言うのは簡単なんだけどなぁ。

理想を掲げたらキリがない。それはわかっているけど、それでも1つずつ実現していけば、何かが変わるかもしれないよね。変わらないかもしれないけど。

 

まとめ

ワタシは広告コピーを書きたいわけじゃないんだけど、それでもこの本から学べるのは【「つくり手」の姿勢】だと思う。

人に影響を与える何かを作れる人は、理論をきちんと説明できる。どうやってそれをつくったのか、何故それをつくったのか、何処が良くてそれをつくったのか、それによって相手にどんな影響を与えるのか。

大半は「つくり手」によって計算された”創作物”だ。

まずは考えることから始めよう。話はそれからだ。

 

そんな感じで、本日ワタクシからは以上でございます。

|彡サッ

 

 

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