【本に惹き寄せられる】という不思議な体験をした。初めての体験だったと思う。
言葉はちょっとロマンチックな響きだけど、ワタシが惹き寄せられたのはホラー小説。しかも女同士のドロドロが緻密に描かれたサスペンス・ホラー。
オンナという生き物がひた隠す、プライド・嘘・嫉妬や歪んだ羨望。これらを覗き見たい人だけ、是非この小説を手にとっていただければと思います。
(ワタシの大好きな角川ホラー文庫であることをここに申し添えておく)
【女友達】著者:新津きよみ
29歳独身、一人暮らしで特定の恋人は無し。満たされぬ毎日を送っていた千鶴は、ふとしたきっかけから隣人・亮子と知り合った。
同い年だが自分より容姿も収入も劣っている亮子との友情に、屈折した安らぎを見出す千鶴。ファッションや持ち物の比較、相手の幸せへの嫉妬、虚栄心を満たすための小さな嘘――女友達の間にはありがちな些細な出来事が積み重なった時、ふたりの間に生まれた惨劇とは?
女性心理の奥底を緻密に描く、長編サスペンス・ホラー。
購入に至った経緯
そもそも小説を買い込む時っていうのは、ざっくりながらも下調べをして目星をつけておくのがワタシの買い方。気になる小説のタイトルや、読んでみたい作家さんの名前など。メモをチラ見しながら本をカゴに放り込んでいきます。
でもこの小説は、本棚の間を歩いている時に視界の端に映りました。何がどうしてこんなに気になったしまったのかは自分でもわからないけど、通り過ぎたのをわざわざ半歩戻って手に取ったのです。
見えたのはこのわずかな背表紙のみ。強いて言うなら
- 大好きな角川ホラー文庫の背表紙であったこと(黒が目立つ)
- 結構な厚みがあったこと(長編好き)
- 【女友達】というホラーに最適なキーワド(ゲスな好奇心)
以上の3点がワタシの後ろ髪を引いたのだと思う。
この小説に関する事前情報は1つもなかった。新津きよみさんという作家さんの名前すら知らなかったので。
調べてみたらこの小説、火サスで映像化されたことがあるらしい! 沁みるww
火サス、ぴったりだと思います!!
オンナの本質
オンナっていうのはどうしてこんなに味わい深い生き物なのだろう。ワタシはこの手のゲスネタが大好きである。
オンナというのは移ろいやすく、一貫性がまるでない。それでいて自分のプライドだけは絶対に曲げないからタチが悪い。
腹の底をひた隠して笑顔を作るのが得意で、息を吐くように当たり前に嘘をつく。
美しいものが大好きなのに、自分より美しいものを赦せない傲慢さを持ち合わせている。
他人のものはなんでも欲しがり、欲深く、罪深く、業も深い。
優しく、愛情深く、慈悲深い。情に脆いのに、それでいてすぐに裏切る。
これ以上に面白い生き物を、ワタシは知らない。
男が絡むとろくなことがない
この小説は千鶴の元カレ、【吉川】の存在がいい感じに物語を引っ掻き回していく。
千鶴は自分から見切りをつけて別れたはずの吉川と再会し、再び想いを寄せるようになる。ところがいつの間にか、隣人の亮子が吉川と親しくなっている。
プライドの高さから素直になれない千鶴は、泥沼にハマっていく…。
なんてエピソードも盛り込まれている。(*´ω`*)
ドロドロ系を読みたくなった時は是非この小説を読んでみてください。
そんな感じで、本日ワタクシからは以上でございます。
オヤスミナサイ☆|)彡サッ